鳶職人生から鉄骨製作人生へ。新たなる挑戦のスタート
製品は、生きものなんです。失敗すれば悲しむし、いいものが出来れば製品だって笑顔になる、と私は思っています。
「笑顔の製品を送り出すために鉄を極めたい」という思いで現場の鳶として邁進してきましたが、冨山工業に入社してからは工場での製作や設計、そして経営という新しいフィールドへ進みました。
鳶として現場を知り尽くした自分だからこそ出来る「笑顔の製品作り」の追求は、現在の私の生きがいとなっています。
二代目社長として、長く継続させるための戦略
私が専務になってまず行ったことは、グレードの取得です。グレード認定を受けたことで、これまでは手掛けることが出来なかった大型の案件も受注することが出来るようになり、営業の方法も大きく変わりました。
他社とは違う「鉄骨のトータルパートナー」として、より潜在的な部分までお客様のニーズに応えたい。そして、従業員達の笑顔を守り続けるために、この冨山工業を長期的に生き残ることの出来る企業にしたい。
その思いを活力として、「冨山工業にしかできないことは何か」を常に考え、既成概念に囚われない腰を据えた事業展開を行っています。
成功とは思わず、常に失敗と思う。それが進化
私はどんなにお客様に喜んでいただける製品が納められたとしても、それがゴールだとは思わないようにしています。
「成功した」と思ってしまうと、それ以上の成長はないんです。常に「失敗した、もっと喜んでもらえたかもしれない」と考えて改善を重ね、チャンスがあれば失敗を恐れず手がけたことのない新しいことにチャレンジする。
そうすることで冨山工業も、そして私も進化し続けることが出来ると考えています。
蛮勇ではなく、あらゆる想定や、調査、そしてこれまでの経験を総動員して可能な限りリスクを小さくするためにする努力は惜しみませんね。
一歩ではなく半歩の動きで人と製品に流れを作る
冨山工業は、Mグレードの鉄工所としては人数があまり多くはないため、その中でいかに生産能力を上げていくかというのは常に大きな課題です。
例えば道具や素材の置き場所を一つ取ってみても、一歩で取るか、半歩で取るかで、最終的には生産効率に差が出てきます。それであれば工場のレイアウトを変更して、振り返れば必要な物が手に取れるようにすればいい。
工場の製作の流れを円滑にするために、整理整頓の徹底や新しい機械の導入、担当業務以外への対応、設計と工場の連携などを行っていますが、一番重要なのは従業員それぞれの意識です。
自分自身の生産効率を上げるためにはどうすればいいかを各自が考えてチャレンジし、成長していってくれることが、最大の効率化に繋がると考えています。
現場第一主義-鳶職時代の目線を製品に活かす
鉄骨だけのことを考えても一つの建物は完成しません。
現場には様々な業種の方々がいて、その技術やノウハウの結集が一件の建物になる。だからこそ、冨山工業では他の業種の方のことも考えた「現場の流れを止めない設計」を徹底しています。
鳶職だった私を始めとして、冨山工業の設計担当者は、全員が現場や製作の豊富な経験を持っています。最終的な収まりを想定した設計、そして現場の廣大組と工場の製作が扱いやすい設計を、現場や製作を知り尽くした技術者が行っていることは、冨山工業の最大の強みです。
お客様目線、そして現場の職人目線での設計で、工事に関わる方皆さんに笑顔になっていただければと思っています。
子の面倒は、親が見る。そこに、力をそそぐ
社長という言葉はあまり好きではないんです。私達は、ファミリー、家族だと思っているので、社長ではなくてみんなの“親父”なんですね。
毎月『労をねぎらう会』という食事会を開いたり、小さなことでも相談に乗ったりして、働いてくれている従業員たち、つまり自分の子に、ずっと笑顔でいてもらうために私にできることがあれば何でもしてやりたいと思っています。
人材育成という点に関しても、子育てと同じです。様々な経験をさせて一人前にしてやる責任を果たすというのはもちろんですが、子の成長を見るのが私自身の楽しみでもあるんです。
将来の冨山工業を引っ張ってくれるプロフェッショナルを育てていきたいですね。
創業50周年へ向けて
冨山工業は、2023年に創業50周年を迎えます。
お客様はもちろん、現場で関わる他社の方、建物を利用する方、さらには社会全体までが、皆いつも笑顔で、豊かになってほしい。
そのためには、継続していい製品を作り続けることが必要不可欠です。三代、四代と続く冨山工業でありたい。私たちは、ものづくりに妥協をせず、挑戦し続けます。